レポート
「図書館総合展のあゆみ」すごろくを作ってみた
これまでJcrossでは、図書館のツールとしてのボードゲームに注目してきました。
図書館でのボードゲーム活用について考えるイベントをおこなったほか、一昨年は弊社が40周年を迎えることを記念し、ブレインテック社史すごろくを作り、配布しました。
社史すごろくがとても好評だったので、この経験を活かし、今回は「図書館総合展の歴史を振り返る」をテーマにすごろくを作ってみることにしました。
遊ぶ人たちにとっての思い出が書き込めるようにと、マスが空欄になっているバージョンもあわせて、パシフィコ横浜にて行われた図書館総合展にて配布しました。
この「図書館総合展の歩み」すごろくは、こちらのページからダウンロードすることができます。ぜひ、皆さんも図書館総合展の歴史を振り返ってみてください。
さらに最終日には、図書館総合展運営委員会の飯川昭弘委員長と、白百合女子大学の今井福司先生を豪華ゲストとしてお迎えし、Jcrossブース内でこの「図書館総合展のあゆみ」すごろくで遊んでみるイベントを開催。
第1回から図書館総合展に関わってきた飯川委員長と、2019年には、図書館総合展の過去20年の歴史を振り返る記事(※)を執筆された今井先生。
※以下のURLから参照することができますので、ぜひご一読ください。
第26回目を迎えた図書館総合展の長い歴史を知るお二人が、思い出話に花を咲かせながらサイコロを振り、コマを進めていきます。
序盤は思い出話に花が咲いてしまいなかなかコマが進まない、途中、スタッフ総出で探したはずの誤字が見つかるなどのハプニングもありましたが、奇跡的に、時間ぴったりにゴール。会場も沸き立ちます。
これからの図書館総合展に思いを馳せつつ、イベントは終了となりました。
さて、この「図書館総合展のあゆみ」すごろくですが、図書館総合展での配布に先立って、制作の過程をワークショップとして公開する試みも行いました。
すごろくは、紙とサイコロがあれば誰でも遊ぶことができます。
会社や学校のみんなで歴史を楽しく学べるゲームを作る、という観点から、図書館活動の参考になればという思いで、イベントを企画しました。
オンラインと現地にわかれ、社外の方も招いて、それぞれの図書館総合展の思い出を振り返りました。作るところから社外の方にも参加してもらうのは初めてです。すごろくを作ってみたい人がいれば、作ってみたけれど躓いてしまったので悩みを共有したい人もいました。
先ほど紹介した、マスが空欄になっているすごろくは、このワークショップから生まれたアイデアが取り入れられたものです。みんなですごろくを制作していく中で、図書館総合展の思い出は人それぞれにあることに気づき、そんな思い出を自由に書き込むことができるものを作ったら、より楽しんでもらえるのではないか、と話し合うことができたのです。
すごろくの作り手としてどうやって利用者を巻き込んでいくか、どういうプロセスで作っていくかを考えることができました。
図書館総合展にあまり参加したことのない参加者は、Jcrossに掲載された図書館総合展に関する過去の記事を照らし合わせたり、カレントアウェアネスに掲載されている情報を参考にしたりしながら、想像を膨らませました。
例えば、みなとみらい線が開通した年に図書館総合展の会場がパシフィコ横浜にうつった、というマスを作ろうとした時、裏付けを取るためにインターネットや資料をもとに調べることになります。遊んでみるのはもちろん、作っていく過程にもテーマに対しての学びを深める機会が生まれる、その時にはきっと図書館の資料が助けになるのだということを、改めて体験的に知ることができました。
当日の様子は、こちらのスタッフブログもご参照ください。
今回は、すごろくの「制作」というプロセスをJcrossの公開イベントの形にしたことで、実際に図書館ですごろくを作ろうとしている人たちに出会うことができました。この制作ワークショップのあとには、参加者の方から「学校三年間の思い出すごろくを作りました」というご連絡もいただきました!Jcrossの取り組みが、たしかに誰かの図書館活動を応援することができたのだと実感でき、とても嬉しかったです。
Jcrossはこれからも、そういった「図書館活動の中でなにかをつくること」「なにかをつくることで図書館を盛り上げていくこと」を皆さんと一緒に考えていきます。
皆さんも、ぜひ図書館活動にすごろくを取り入れてみませんか?
文/吉村香織 (株式会社ブレインテック Jcross担当)